T-works#3 愛する母、マリの肖像

T-works#3 愛する母、マリの肖像

『放射能』の名付け親。二度のノーベル賞受賞者。核物理学の夜明けを告げた偉大な学者。唯一無二の女性マリ・キュリー。前近代と近代の狭間、二十世紀初頭という時代に、女として、母として、学究の徒として、己の人生を切り開いた偉大な女性。彼女を取り巻く家族や友人と共にその後半生を描く。

「人生最大の報酬とは、知的活動そのものである。」(マリ・キュリー)


STORY

誰もがその名を知っている、偉大な女流科学者マリ・キュリー。その人生は困難の連続だった。常に経済的な困難に苦しんだ学生時代。苦しいやりくりの中で夫ピエールと歩んだ研究時代。そして、あまりにも早過ぎる夫の死。それを乗り越えての二度目のノーベル賞受賞。よく知られるキュリー夫人の物語は大体がここで終わる。しかし、この先の物語でもキュリー夫人は困難に挑み続ける。フランス中をにぎわした未亡人のスキャンダル。第二の祖国フランスに大いに尽くした第一次世界大戦。夫妻の業績を引き継ぐ研究所の設立。放射能研究の副産物として壊れていく自分の体。そして愛する二人の娘イレーヌとエーヴの教育。やがてイレーヌはマリの後継者として成長する。エーヴは芸術文学を愛し、マリの死後、母の生涯を伝記として著す。マリと二人の娘、これは娘を通して語られる『唯一無二の女性』の後半生を描く物語だ。

公演詳細

新型コロナウィルス感染症の拡大に伴うお知らせ(3月9日更新)

脚本古川 健(劇団チョコレートケーキ)
演出高橋正徳(文学座)
出演山像かおり(西瓜糖)、丹下真寿美、阿部丈二、佐藤聖羅、福地教光(バンタムクラスステージ)、
大塚宣幸、前田友里子(アガリスクエンターテイメント)、佐藤豪、
辰巳琢郎

《東京公演》

会場赤坂RED/THEATER
〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-9 赤坂グランベルホテルB2F
日程2020年3月11日(水)19:00
2020年3月12日(木)19:00
2020年3月13日(金)14:00 / 19:00
2020年3月14日(土)13:00 / 18:00
2020年3月15日(日)13:00
料金前売:5,000円
当日:5,500円(全席指定)
予約2020年1月8日(水)10:00~1月14日(火)23:59 ぴあ先行販売
2020年1月18日(土)10:00 一般販売
チケットぴあ TEL:0570-02-9999(Pコード:499-510)店舗:セブンイレブン、ぴあ店舗
CoRich舞台芸術!
Confetti TEL:0120-240-540 *通話料無料・オペレーター対応(受付時間 平日10:00~18:00)
Webアンケートフォーム

《大阪公演》

会場ABCホール
〒553-8503 大阪市福島区福島1-1-30
日程2020年3月27日(金)19:00
2020年3月28日(土)13:00 / 18:00
2020年3月29日(日)13:00
料金前売:5,000円
当日:5,500円(全席指定)
予約2020年1月8日(水)10:00~1月14日(火)23:59 ぴあ先行販売
2020年1月18日(土)10:00 一般販売
チケットぴあ TEL:0570-02-9999(Pコード:499-510)店舗:セブンイレブン、ぴあ店舗
CoRich舞台芸術!
Confetti TEL:0120-240-540 *通話料無料・オペレーター対応(受付時間 平日10:00~18:00)
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登場人物


マリ・キュリー(1867年11月7日~1934年7月4日):山像かおり(西瓜糖)プロフィール
ワルシャワ生まれ。放射線の研究で、1903年に夫ピエール・キュリーと共にノーベル物理学賞を受賞、さらに1911年にノーベル化学賞を受賞し、また、パリ大学初の女性教授職に就任した。女性初のノーベル賞受賞者であり、かつ2度受賞した最初の人物である。また、物理学賞と化学賞の両方を受賞しているのは彼女だけである。放射能(radioactivity)という用語は彼女の発案による。


ダニエル・リシャール:辰巳琢郎プロフィール
架空の人物。無名時代からのマリ・キュリーの支援者で、経済的にも精神的にも、マリ・キュリーを支えてきた。


イレーヌ・ジョリオ=キュリー(1897年9月12日~1956年3月17日):丹下真寿美プロフィール
フランスの原子物理学者。マリの長女。妹はエーヴ・キュリー。パリに生まれ、パリ大学でポロニウムのアルファ線に関する研究で学位を取得。1926年、母マリーの助手だったフレデリック・ジョリオと結婚。1935年、「人工放射性元素の研究」で夫フレデリックと共にノーベル化学賞を受賞した。


フレデリック・ジョリオ=キュリー(1900年3月19日~1958年8月14日):阿部丈二プロフィール
フランスの原子物理学者。妻はイレーヌ・ジョリオ=キュリー。義母はマリ・キュリー、義父はピエール・キュリー。 1925年、ラジウム研究所でマリ・キュリーの助手となり、そこでイレーヌと知り合い、2人は翌年に結婚。1935年、「人工放射性元素の研究」で、妻イレーヌと共にノーベル化学賞を受賞した。


エーヴ・キュリー(1904年12月6日~2007年10月22日):佐藤聖羅プロフィール
パリ生まれ。物理学者・化学者の一族だが、ただ一人、科学者の道に進まなかった。幼い頃からピアノを学び、1925年にはパリでコンサートも行っている。マリの晩年はマリに付き添い、1934年にマリが亡くなった時も枕元で看取っている。マリが亡くなった後は伝記の執筆にあたり、1937年に出版された伝記『キュリー夫人』(Madame Curie)は各国語に翻訳された。エーヴはノーベル賞受賞者を両親と姉夫婦に持ち、夫もユニセフ事務局長時代の1965年にユニセフがノーベル平和賞を受賞するなどノーベル賞受賞者に囲まれた人生であったが、自ら「私は家族の中で唯一、ノーベル賞を取っていないのよ」と語っている。


ポール・ランジュヴァン(1872年1月23日~1946年12月19日):福地教光(バンタムクラスステージ)プロフィール
ピエールの教え子。マリは私生活の問題で悩むランジュバンの相談を聞くうちに親密になる。1911年の報道では、ランジュバンに宛てたマリの手紙を暴露し、他人の家庭を壊す不道徳な女とマリを糾弾した。その後も報道は続き、彼女をユダヤ人だ、ピエールは妻の不倫を知って自殺したのだと、あらぬことを連日のように書き立てた。


エミール・ボレル(1871年1月7日~1956年2月3日):大塚宣幸プロフィール


マルグリット・ボレル:前田友里子(アガリスクエンターテイメント)プロフィール
マリの友人。マリとランジュヴァンの不倫騒動のさなか、夫妻が献身的にマリを庇う。政府の公共教育大臣はボレルにマリを庇うなら大学を罷免すると迫ったが、夫妻は一切ひるまなかった。マルグリットはジャン・ベラン教授の娘で、彼女はマリを損なうなら2度と顔を合わせないと父を逆に脅した。


山田延男(1896年~1927年):佐藤豪
ラジウム研究所への留学生。放射能の影響で早逝。


古川健(Furukawa Takeshi)プロフィール

2002年より劇団チョコレートケーキに所属。09年より劇作家として活動を始める。大正天皇、ヒトラー、大逆事件、サラエヴォ事件など歴史的な題材を扱い、緻密な取材から練り出されるハードな台詞表現を持ち味としている。代表作としては「熱狂」「あの記憶の記録」「治天ノ君」「追憶のアリラン」「ライン(国境)の向こう」「60’sエレジー」「ドキュメンタリー」「遺産」「スィートホーム」「挽歌」「Sing a Song」など他多数。また近年は他団体への書き下ろしや、TBS「ゴロウデラックス」、NHKスペシャル「原発メルトダウン危機の88時間」など映像作品やラジオドラマの脚本も手掛けている。
【受賞歴】
2014年 第21回読売演劇大賞 選定委員特別賞(『治天ノ君』)
2014年 第25回テアトロ新人戯曲賞 最優秀賞(『あの記憶の記録』)
2014年 2013年度サンモールスタジオ選定賞 最優秀脚本賞(『あの記憶の記録』)
2014年 第四十九回 紀伊國屋演劇賞 団体賞受賞
2019年 第26回読売演劇大賞優秀作品賞(『遺産』)

高橋正徳(Takahashi Masanori)プロフィール

1978年生。東京都出身。東京学芸大学教育学部中退。
2000年文学座附属演劇研究所入所(40期生)。05年座員昇格。04年文学座アトリエの会『TERRA NOVA テラ ノヴァ』で文学座初演出。以降、川村毅、鐘下辰男、佃典彦、東憲司、青木豪など多くの現代作家の新作を演出。また文学座附属演劇研究所の発表会の演出も多く務める。小劇場から大劇場まで精力的に活動する傍ら、地方劇団・公共団体・学校などでの演劇ワークショップの講師としても活躍。 2011年文化庁新進芸術家海外研修制度により1年間イタリア・ローマに留学。


《スタッフ》

舞台監督/渡邊歩(株式会社RESON)
照明/富山貴之
音響効果/天野高志(株式会社RESON)、斎藤裕喜(Québec)
衣装/藤田友
舞台美術/橋本尚子
大道具製作/株式会社ステージファクトリー
演出助手/後藤真一
宣伝写真・宣伝美術/堀川高志(kutowans studio)
宣伝写真ヘアメイク/畑中嘉代子
ビデオ撮影(東京公演)/古谷美里
舞台写真(東京公演)/ノザワトシアキ
Web制作/飯村登史佳
制作/安井和恵(クロムモリブデン)
大阪当日運営/猪瀬典子(campana)
プロデューサー/松井康人
エグゼクティブプロデューサー/辰巳琢郎

《協力》

劇団チョコレートケーキ、トム・プロジェクト(株)、文学座、(株)タクスオフィス、(株)フクダ&Co.、西瓜糖、(株)ホリプロ・ブッキング・エージェンシー、(株)エイジアプロモーション、(株)ワタナベエンターテインメント、バンタムクラスステージ、アガリスクエンターテイメント、クロムモリブデン、(株)カンパーナ、澤邊久弥子、中川拓也

《協賛》

ハイアットプレイス東京ベイ 相互物産グループ
   

《企画・製作・お問い合わせ》

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